熊本市の県庁通りに面する角地に位置するオフィスビルである。良好な景観を維持しながら、積極的に街並みの形成に関わることを考えた。2面道路の角の範囲をガラスカーテンウォール平屋建ての低層部とし、その奥に透過する2階テラス、諸室が機能的にまとめられた3層ボリュームという構成である。平屋建ての外周部、テラスには緑化を行うことによって建物内外に連続する植栽が街に対して立体的に表れ、ささやかながら広がりを感じる緑の空間を提供している。県内ではほとんど例がない木造3階建て1時間準耐火構造の事務所建築である。意匠的な選択としての木造ではなく、耐火要求のあるオフィスビルにおいて自然なかたちで木造で建てることに、木造普及の意味において価値があると考えている。